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RST研修 『人工呼吸器コース トラブルシューティング編』

前回の当院RST研修から1週間と少し。12月20日に『人工呼吸器コース トラブルシューティング編』が行われました。このエントリではその模様をお伝えします

このページの各画像はClickすると大きな画像が表示されます。

回は事例を交えながら「こんな時どうする?」的なシミュレーション型に近い体験研修。前半部分は自己抜管に関するトラブルシューティングでした。

気管チューブを自己抜去する患者役は私。模擬として,途中で切った気管チューブを口に咥えた状態でスタンバイ。自己抜管につながる危険行動があるという設定です。

先に言っておきましょう。もし私が本当に挿管されたら,その時は自己抜管すると。楽になれば,まだ必要だとわかっていてもたぶんしますね。我慢できないですね,きっと。眠っていても夢見ながら抜いちゃうでしょうね。そんな話を上司や同僚にしていると「はるさんなら,やるだろうね」と言われます。

そんな私。参加者に抑制の説明を受け,両手を抑制されました。ロッテンマーヤさんの合図で,モソモソしはじめ,気管チューブを手で握り自己抜去。簡単なモンさ。実際あるとショッキングな場面ですが,この時の私はたぶんドヤ顔

手の抑制が甘いわけではなく,起き上がらなくても多少体を動かすことのできる患者ならば実は簡単に口まで手を持っていけます。

「体をゴソゴソ動かす」という表現を使うこともありますが,意識しなくても,このようなゴソゴソした動きで体を頭側,足側のどちらにもずらすことができます。足側にずれた場合は手を抑制していても手と頭が近くなり気管チューブに手を掛けられるようになります。

とはいえ,自己抜去予防の話はここでは省略,今回の本題は自己抜去されてしまった後,どうするか? が問題です。

どうしましょう?

のような場面ではパニックになりがち。もちろん,予防策も重要ですが,起こってしまった時の対応をシミュレーションしておくことも重要です。

気管チューブを自己抜去した全ての患者に換気補助が必要かというと,実際はそうでないこともありますよね(それはそれで別の問題があるかもしれません)。患者の状態によっても異なります。

今回の研修では参加者に考えていただきながら,前半の自己抜去トラブルシューティングは経口挿管Ver.と気管切開Ver.の2パターンの模擬実演が行われました。

なみに。このような場合にも必要になることがあるバッグバルブマスク(一般的には『アンビューバッグ』と呼ばれることが多い)。看護師がバッグバルブマスクで換気を行わなければならないこともありますが,実際使ったことがある方はどのくらいでしょうか。

これまで実際に使用したことがない方は,特に意識がない患者にバッグバルブマスクで換気補助を行う場合,思っているより結構難しいかもしれません。

また,挿管介助もそのような場面に出会わないとなかなか行わないものです。何となく手順を知っていても実際に行うのは難しいかもしれません。

今回の研修ではシミュレーションに加え,人形を使ってバッグバルブマスクでの換気を練習するブースと挿管介助を練習するブースを設けて実際に練習する時間もありました。

はバッグバルブマスクのブースを担当しましたが,皆さん「難しい」と苦戦されてました。けれども,バッグを揉むことが難しいわけではありません。

非挿管患者においてバッグバルブマスクで換気補助が必要なケースは舌根沈下していることが多く,最初の気道確保のステップで苦戦するわけです。

下顎挙上を行った後,それを片手の中指・薬指・小指でキープしながら,母指と示指とでマスクの保持を行い,もう一方の手でバッグを揉む使い方を一緒に練習しました。

気道確保は頭部後屈もあります。ただし,頭部後屈は頸椎損傷(またはその疑いがある)の方には適応できません。

多くの方は3本の指で下顎を引き出しておくのが難しそうで,指を当てる位置が気道を圧迫してしまう位置になったりと苦戦。マスクの密着も難しそうでした。

使用した人形は確実に気道開通した状態で送気しないと胸郭が上がりません。なかなか胸郭が上がらず,「続けていいですか?」と休憩時間になっても出来るまで熱心に練習していた方も

手が小さい方にとってはなかなか難しい手技。私も手が大きくはないため,よくわかります。2人で行うと簡単ですが,実際はそうもいかない場合が多いので1人で出来るようにしておくのが確実。

ちなみに,当ICUでは年に一度 5月位に,急変時対応勉強会の際に練習できる機会を設けており,さらに,フローメーターを用いて1回 約500mlで送気するにはどのくらいバッグを揉めばよいのかなどの練習も行っています。

ラブルシューティングの後半は気管チューブ閉塞編。どうするか? の前に,まずはそれが発見できるか? から始まりました。

これは,Web page2009年2月14日のエントリでロッテンマーヤさんが書かれている人工気道の閉塞シミュレーションの再現になります。

ここでも皆さん真剣。疑似体験とロッテンマーヤさんの事例を含めた解説盛りだくさん。異常の早期発見で重要なことは人工呼吸器(器械)だけでなく,患者を確認することなんだということも理解できたと思います。

また,夜間勤務人数の少ない時にこのような緊急事態が起こった場合はどうするか?(応援の呼び方,相手に伝わる依頼の仕方) など,私達の現場環境を踏まえた具体的な説明もありました。

回の研修ではプレテスト/ポストテストはなく,研修前後の比較をデータで示すことはできません。しかし,研修終了後アンケートは今回も非常に好評。シミュレーション事例以外にも具体的な事例の話を聞けて良かったとか,もっといろいろ聞きたいなどのコメントがありました。

また,前回研修で人工呼吸器のモードを理解した後だったので今回のトラブルシューティングも理解しやすかったというコメントも。単発参加でなく,同じシリーズを同じ人が受けるとこういうメリットも大きいなと改めて感じました。

気管切開チューブの位置異常(皮下への迷入など)はロッテンマーヤさんの解説で初めて認識された方もいらっしゃり「驚いた」方や「重要性が理解でき,気をつけてケアしようと思う」などのコメントをいただきました。参加された方には改めて解説がありましたが,ポケットブック第2版の70ページにそのイラストを掲載しています。

バッグバルブマスク(アンビューバッグ)に関してはやはり「難しかった」。けれども,初めて使った方,久しぶりに使った方も,体験できて良かったと書かれていました。

の研修をもって年内のRST酸素療法研修はひとまず終了。毎回研修の内容を組み立て奔走しているロッテンマーヤさんはとても大変ですが,今年度からのシリーズ型研修も軌道に乗ってきました

次回の研修は年が明けてからになります。

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コメント:1

2011年1月 4日 16:43 返信

私も演習で学生に対して、EC法によるBVM換気を指導しますが、最初はなかなか難しいみたいですね。まぁ、それでも代替の学生はできるようになります。トラブルシューティング教育といいますか、シミュレーターを用いた教育は非常に重要ですね。

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