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加温加湿器使用時の呼吸器回路 #4.呼気側

加温加湿器使用中の回路構成と確認,第4回目。回路の呼気側を確認します。

このエントリ内の画像は全て,画像をClickすると大きな画像が表示されます。

加温加湿器使用時の呼吸器回路:呼気側

呼気側は吸気側と比べるとシンプルで,ウォータートラップが入るだけ。

ウォータートラップ
吸気側は加温加湿器のヒータワイヤホースにより温められておりホース(蛇管)内は結露を生じません。呼気側は温めていないので,ガスが冷えてホース内に結露を生じます。その結露水を溜めるところがウォータートラップです。

ウォータートラップに溜まった水がいっぱいになると回路に水が溢れます。そうなる前に適宜,ウォータートラップに溜まった水を除去しなければなりません。

院で使用しているものはネジ式のもので,弁がついています。つけはずしの操作時はリークしますが,完全に装着した時と,受け皿部分を完全にはずした時はリークしません(はずしている間も水はポタポタ落ちてきますがエアリークはありません)。

なので,ウォータートラップの水を捨てる際のつけはずしは慌てず,けれども速やかに確実に行うこと。装着した後,止まるところまで回っているか,破損はないか,リークはないかを確認してから作業終了となります。

注意!弁がついていないものは,リークします。

だし,結露水が溜まるのはウォータートラップだけではありません。ウォータートラップが回路中の最下部にないと回路内の結露水がウォータートラップに落ちてきません。

蛇管にたまった結露水

ウォータートラップはホース(蛇管)の最も低い位置になるよう設置するのが原則です。しかし,実際は回路の最下部にしていても,ホースにたるみがあれば,そのたるみ部分にも結露水が溜まります。

現実的な問題として,たるみを持たせない長さにすると今度は体位変換などの際に蛇管の長さが足りないといった問題を生じさせます。なので,やはりある程度の長さが必要。

また,ICUではさまざまな処置を行いやすいよう,ベッドの高さが一般病棟より高く設定されていることが多く,ベッド柵の高さも考慮すると患者側が高くなりやすい(呼吸器側とのバランスが悪くなることも)。このようなことから,回路にたるみが出るのは避けられないこともあります。

蛇管にたまった結露水(拡大)

そのようなわけで,結露水がウォータートラップ以外の部分に溜まることもあります。溜まってきた時はその都度,ウォータートラップに結露水を落とします。

ちなみに,上の写真はちょっと溜めすぎな例です。さらにこれ以上溜めてしまうと,結露水によって回路を閉塞させる状態となり,換気に支障を来します。

結露水を回路に溜めすぎた場合は,ガスの流れで結露水が揺れ,トリガーエラーの原因となることがあります。そして,この揺れはグラフィック波形にも表れることがあります。

関連記事:Web page波形に見える痰の貯留

た,結露水はカテーテルマウント(フレックスチューブ)や閉鎖式吸引システムのL字部分にも溜まることがあります。

カテーテルマウントにたまった結露水(血液混じり)
注意!この写真では血痰噴き上げにより結露水に血液が混じっていますが,通常は無色です。※血液の色は彩度を落としています。

閉鎖式吸引システムL字部分
注意!この写真は未使用のもので,結露水が溜まったものではありません。

テーテルマウントや閉鎖式吸引システムのL字部分に溜まった結露水は,結露水による回路閉塞とは別の問題も生じさせます。

結露水が溜まったまま回路の角度を変えたり,体位変換などで口元よりカテーテルマウント側が上になると,結露水が気管チューブに流れ込んでしまうからです。

気管チューブに結露水が流れ込むことはトイレッティング(気管洗浄)をしているのと同じようなもので,気管攣縮を誘発してしまい,患者さんはとても苦しい思いをされます。

カテーテルマウントに結露水が溜まっている場合は,回路の呼気側に誘導し落とします。

しかし,カテーテルマウントのヒダが大きいと,除去するのがなかなか難しいこともあります。夢中になりすぎて,気管チューブにテンションをかけたり結露水が気管チューブに流れてしまわないよう気をつけましょう。

ちなみに,カテーテルマウントの結露水を閉鎖式吸引システム側に落として吸引することも出来なくはないですが,その際に吸気時のガスの流れに押されて気管チューブに流れ込むことが多いため,患者さんにとって非常にリスキーな手技になります。確実・安全に出来る人でなければ行ってはならず,通常は避けるべき手技だと思います。

閉鎖式吸引システムのL字部分に溜まった結露水は,装着している吸引カテーテルで結露水を吸引します。

ただ,こちらも角度を注意しないと人工呼吸器からの吸気時のガスの流れに押されて,容易に気管チューブへ流れ込みますので慎重に。

お,カテーテルマウントと閉鎖式吸引システムのL字部分の両方に結露水が溜まっている場合,除去する順番は,閉鎖式吸引システムのL字部分 → カテーテルマウントです。

なぜなら,閉鎖式吸引システムのL字部分のほうが患者に近く,カテーテルマウントの結露水を除去しようと回路の角度を変えた時,閉鎖式吸引システムのL字部分に溜まった結露水が気管チューブに流れ込みやすいからです。

5回(最終回)は,これまでの『加温加湿器使用時の人工呼吸器回路#1~#4』をまとめて,加温加湿器使用時の人工呼吸器回路 チェックリストです。

次はやっと,シリーズ最終回。結構長くなったな...

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