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加温加湿器使用時の呼吸器回路 #1.全体像

院では,(侵襲的)人工呼吸時の加温加湿は人工鼻を第1選択とし,加湿不足と判断した場合は加温加湿器に変更しています。

人工鼻使用時と加温加湿器使用時の回路は異なります。加温加湿器使用時の回路と管理中の注意点や確認ポイントに関して押さえていこうと思いますが,写真やイラストを入れるとボリュームが多くなったので,数回にわけることにしました。

今回は1回目,まずは加温加湿器使用時の呼吸器回路全体を見てみましょう。

なお,このシリーズでは機器側の事項のみ確認していきます。加湿評価に関しては,また別の機会に

このエントリ内の画像は全て,画像をClickすると大きな画像が表示されます。

温加湿器使用時の呼吸器回路は,人工鼻使用時の呼吸器回路と比較すると少し複雑になります。

また,加温加湿器使用の回路はヒータワイヤ使用の有無によって少し異なりますが,当院ではヒータワイヤ使用のみを採用していますので,ここではヒータワイヤ使用編のみ扱います。

加温加湿器使用時の呼吸器回路
吸気側は,人工呼吸器と患者さんの間に加温加湿器とその付属物が入ります。呼気側には(この写真では写っていませんが)結露水を溜めるウォータートラップが入ります。

人工鼻使用時の回路蛇管には吸気側・呼気側,どちらも間に挟む物はありません。しかし,加温加湿器使用時は,蛇管の間に挟む付属物が異なり,それぞれ正しい位置になければなりません。

例えば,呼気側に加湿器を組み込んでしまった場合は,患者さんから出た(加湿する必要のない)呼気は加湿されるけれど,患者さんに送られる(加湿が必要な)ガスは全く加湿されないという危険があります。

回路構成の全体を確認するときは,回路構成を理解しておくこと(曖昧な場合は回路構成図などを見ながら)が大切。そして,ガスの流れに沿って確認することが原則です。

バクテリアフィルター
人工呼吸器と回路の吸気側/呼気側の間には,それぞれバクテリアフィルタが取り付けられています。当院では,バクテリアフィルタの交換は,吸気側を1週間毎,呼気側を毎日交換としています。

なぜ,交換頻度が異なるかは,この写真を見てもわかると思います。

呼気側のバクテリアフィルタは結核患者などからの感染ブロックに有効な上,フローセンサーへの水滴付着防止の役目もあるようです。ちなみに,フローセンサーは水滴が付着すると,正しく測定できません。

注意!「呼気側のバクテリアフィルタは結核患者などからの感染ブロックに有効」と言っても,バクテリアフィルタを交換する時やウォータートラップの結露水を破棄する際のリークを考慮すると完全なブロックにはなりません。開放式吸引を行う場合も同じ。

加温加湿器使用時の呼吸器回路:吸気側

回路構成(簡易図)

吸気側回路は次のようになります。

この図では,加温加湿器本体から出るヒータワイヤの左右位置が逆になっているなど,若干実際と異なりますがイラスト作成の都合(描きやすさ)にあわせているだけなので,そのあたりの細かい部分は気にしないで下さい ^^;

加温加湿器使用時の呼吸器回路:吸気回路

路が正しく組み立てられていることはもちろん,温度プローブがチャンバー部分とYピース部分にきちんと接続されていること。

ここがはずれていると,2つの問題が起きます。1つはリークを生じて低換気が起きること。もう1つはプローブがはずれたことにより「温度が下がったぞ」と認識され,加温しすぎて気道熱傷を起こしてしまうリスクがあること。

また,管理上注意しなければならないのは,通気路温度プローブを蛇管(ホース)の下側にしないこと。下側にしてしまうとプローブが蛇管(ホース)内の結露水に触れやすく,実際の通気路温度より低い温度で測定されてしまい,これまた加温しすぎるという問題を生じます。

ヒータワイヤの「ある回路」と「ない回路」

気側回路のうち,チャンバーから患者側への蛇管(ホース)はヒータワイヤ入りの蛇管(ヒータワイヤホース)となっています。

ヒータワイヤ あり・なし

コイルみたいなものが見えますよね?チャンバーで温められたガスは,さらにこのヒータワイヤで温度が調節されます。

吸気側回路でも人工呼吸器からチャンバーまでと,呼気側回路は温める必要がないのでヒータワイヤなしの蛇管(ホース)となっています。

ヒータワイヤホースは触ると熱を持っている(温かい)ことがわかります。このホースが肌に直接触れた状態が続くと熱傷することがあります。ですので,患者さんの肌に直接触れないようにします。

具体的には,肌に直接あたりそうな部分にはタオルなどを間にはさみ保護します。この時,ヒータワイヤホースをタオルなどで覆わないこと。覆うと熱がこもり,温度が高くなってしまうからです。

なお,ヒータワイヤホースに触って温かくない(ヒータワイヤなしホースと同じ)場合は,正常に加温機能が働いているか?を疑った加温加湿器や付属物の確認が必要です。

回の『加温加湿器使用時の呼吸器回路 #2』では,回路吸気側:加温加湿器を確認していきます。

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